ツイッター投稿の「音韻」から躁うつ病の兆候を発見する新研究
台湾の国立精華大学の研究チームが、ツイッターの一連の投稿を分析することで双極性障害(躁うつ病)の兆候を発見できるとする研究結果を発表した。単語が発話されたときの破裂音のエネルギーを基に新しい音韻測定基準を開発した点がユニークで、機械学習アルゴリズムによる識別の正確度は90%を超えたという。 by Emerging Technology from the arXiv2018.01.24
双極性障害(躁うつ病)にかかると、深刻なうつ状態の期間と気分が高揚した躁状態の期間を繰り返す。双極性障害の人は極度に高揚して活動過剰になったり、ひどく気分が落ち込んで無気力になったりする極端な振る舞いを示す。患者のうち30%の人が自殺で亡くなっているという推定もある。
自殺という最も極端な振る舞いを防ぐ方法の一つは、障害が発達しつつあるが完全には現れていない段階で症状を発見することだ。早期発見すれば、早い段階で治療を開始できる。そのため、初期の兆候を見つけることが患者とその家族、医療従事者にとって非常に重要となる。
台湾の国立清華大学に所属するイエンハオ・ファンの研究チームは、ソーシャルメディアによって双極性障害の初期兆候を発見する手法を開発したと発表した。ファンらによると、この手法は障害の可能性のある患者の診断に非常に役立つ可能性があるという。
双極性障害の発病の特徴は、過度なおしゃべり、睡眠障害、急速な情緒の変化などの症状だ。また、多くの患者はツイッターなどのソーシャルメディアで診断日などの自身の詳細な状態をシェアしていることがわかっている。
このことからファンたちの研究チームはあるアイデアを得た。これらのツイートが確かに双極性障害の人々によって投稿されたものであるならば、それ以前に彼らはどのような行動パターンを示していたのだろうか?
この疑問を解 …
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