ロボット革命が始まった。今や知能を持ったマシンが、ショッピングモールや病院、路上を巡回し、果物の収穫から手術にいたるまで、ロボットはその腕前をめきめきと上達させている。自動化が人間の生活に変革をもたらそうとしているのだ。
バク宙ロボット
https://www.youtube.com/watch?v=fRj34o4hN4I
最近お披露目されたあるロボットはパルクールのような動作が可能で、後方宙返りも楽にこなす。このアクロバットなロボットを開発したのはボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)。その素早い身のこなしからは、人型ロボットを複雑で困難な環境に適応できるように、急速に進化させている様子がうかがえる。
2015年に開催された「DARPAロボティクス・チャレンジ」(同じロボットの初期型が、扉を開けたり、車から踏み出すといった簡単なタスクでさえ苦労していた)を見た人にすれば、バク宙は格段の進歩に感じられるだろう。しかし、このロボットが継続的にバク宙できるのか、また別の状況に対応できるのかは不明だ。
ボストン・ダイナミクスは、グーグルが2014年の大型投資で買収した注目のロボティクス企業の1つだ。創業者はマーク・レイバートで、動物のように脚を使って走行する脚型ロボットのダイナミック・バランシング・アルゴリズムの分野を切り開いたロボット工学者。以前はMITの教授も務めた。ボストン・ダイナミクスのロボットの卓越した動きを見ていると、まるで生きもののように思えてくる。
脚型ロボットは現在でも莫大なコストがかかり、商業化は難しい。そのため、2017年にグーグルがボストン・ダイナミクスを日本のソフトバンクに売却したニュースは少々驚きだった。それでもボストン・ダイナミクスはさらなる進展を見せており、2017年11月には「スポット(Spot)」という4足ロボットをお披露目した。同社が小型化と制御を着実に進化させていることが分かる。
器用なピッキング・マシン
ほかにも注目すべき進歩の例として、カリフォルニア大学バークレー校のケン・ゴールドバーグ教授のチームは、多様な物体を持ち上げられるロボット・アームを公開している。バークレー校のロボットの注目すべき点は、入念なプログラムや練習の繰り返しではなく、バーチャル物体とそれらをつかむ動作を収めた大規模なデータベースの学習によって、動作を覚えたことだ。その知識を利用して、未知の物体や変わった形の物を持ち上げることもできた。
物をつかむ動作は、今でもロボット工学 …