KADOKAWA Technology Review
×
【冬割】 年間購読料20%オフキャンペーン実施中!
ネットワーク中立性を守れ!
全米にいま広がる4つの動き
Chip Somodevilla | Getty Images
カバーストーリー 無料会員限定
Net Neutrality’s Dead. The Battle to Resurrect It Is Just Beginning.

ネットワーク中立性を守れ!
全米にいま広がる4つの動き

ブロードバンド企業を利するFCCの採決がインターネットの中立性を脅かしている。全米に広がりつつある草の根運動や議会の今後の動きから、ネット中立性規則復活へのシナリオを紹介する。 by Martin Giles2018.01.07

2018年、米国ではインターネットの未来をめぐる壮大な権力闘争が展開される。その結果は、ベライゾン(Verizon)、コムキャスト(Comcast)、AT&Tといったブロードバンド企業が家庭や職場に配信するオンライン・コンテンツをどれだけ支配するかを決めるだろう。

闘いの引き金となったのは、2017年12月に米国連邦通信委員会(FCC)が実施した採決だ。採決はインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)が法律で認められたコンテンツの閲覧をブロックしたり、配信速度を遅くしたりしないようにしていた、オバマ政権時代のネットワーク中立性規則を廃止するものだった。規則は米国連邦取引委員会(FTC)が監視する、ずっと軽い規制の枠組みに置き換えられる予定だ(「米国の「ネット中立性」規則廃止、何が問題か?」参照)。

FCCの採決はネットワーク中立性の議論を形成してきた党派の政治姿勢が明らかになった。FCCの5人の委員のうち、共和党の3人の委員は規則の廃止に賛成票を投じ、一方で残りの2人の民主党の委員は存続に賛成した。

ネットワーク中立性規則の支持者は、規則を廃止した結果、ブロードバンド企業が自社のコンテンツを競合より優遇して他社の情報を頻繁にブロックし、割増料金を支払わせて他社よりも速いトラフィックで配信する、オンライン上の「追い越し車線」を提供するのではないかと懸念している。資金力のある老舗企業をスタートアップ企業より優遇する動きだ。

これを阻止しようと、インターネットの活動家や一部の政治家はFCCの決定を覆す、あるいは法律によってネットワーク中立性を再び守るための動きを活発化している。

以下は、2018年にネットワーク中立性規則の支持者が採用すると見られる主な戦略だ。

法廷で会おう

「法廷でFCCに挑むためのあらゆる機会を探しています」と、開かれたインターネットを推進する非営利の公益団体「パブリック・ナレッジ(Public Knowledge)」のクリス・ルイス副会長は話す。フリー・プレス(Free Press)のような他の権利擁護団体もFCCの決定を覆すために、ニューヨーク、ワシントン、ミネソタといった州の司法長官と連携して訴訟を起こすつもりだと述べている。彼らは、FCCが2015年に規則を導入した時には非常に強く擁護したにも関わらず、規則の廃止にあたって独断的な行動を取ったと主張する可能性が高い。 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【冬割】実施中! 年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る