ブロックチェーンを使わない軽量暗号通貨に大手企業が熱視線
ビットコインなどの基盤技術であるブロックチェーンを全く使用しない暗号通貨「IOTA(イオタあるいはアイオタ)」が注目されている。有向非巡回グラフの「もつれ」と呼ばれる数学的概念を使うことで、ブロックチェーンよりも低コストで取引ができ、IoT(モノのインターネット)での大規模な運用が可能になるとしている。 by Mike Orcutt2017.12.21
絶好調の波に乗っている暗号通貨はビットコインだけではない。既存通貨を代替する数多くの通貨もまた、2017年の偉大なビットコイン強気市場と並んで盛り上がりを謳歌している。最も興味をそそる例の1つは、暗号通貨の世界の中で最もはっきりとしないものでもある。「IOTA(イオタあるいはアイオタ)」と呼ばれるこの通貨の総価値は、2週間余りの間に40億ドル強から100億ドル以上へと跳ね上がった。しかし、おもしろいのはそこではない。IOTAが興味深いのは、この通貨がまったくブロックチェーンに基いていないからだ。IOTAはまったくの別物なのである。
盛り上がりは2017年11月後半に始まった。斬新な暗号通貨を運営するドイツの非営利組織「IOTA財団」が、「分散型データ市場」を開発するためにいくつかの大手テクノロジー企業とチームを組んでいると公表した後のことだった。
いったい何が起こっているのか?
IOTAトークンは他の暗号通貨と同じように使用できるが、インターネットに接続されたデバイス上での使用に特化してプロトコルを設計していると、財団の共同創設者であるデイヴィッド・ソンスティーボは話す。IoT(モノのインターネット)により、さまざまな組織が気象追跡システムから産業機械の性能を監視するセンサーに至るまで膨大な量のデータを、インターネットに接続したガジェットから収集している。しかし …
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