拡張現実(AR)や実質現実(VR)を見るための最高のガジェットが、今まさに自分のポケットに入っているかもしれない。
とくに最近のハイエンド・モデルのスマホは、現実とバーチャルの融合(AR)や、まったく新しい場所の体験ができる(VR)能力が大幅に向上している。スマートフォンのARやVRはまだマイクロソフトのホロレンズ(HoloLens)やHTCのバイブ(Vive)のヘッドセットで経験できるようなより現実的な感覚は味わえないし(ヘッドセットもまだまだ改善が必要だが)、今後の有用性もまだはっきりしない。しかし、こういったスマホは、過大な金銭的負担もなく、コンピューターと有線接続することもなく、驚くべき世界を見せてくれる。
アップルやグーグルといった企業はARビジネスの可能性を十分に理解していて、iOSやアンドロイド(Android)の開発者に、より現実的なARをアプリに簡単に追加できるツールを発表している。グーグルは、モバイルでのVR体験に対して、先駆的な取り組みをしてきた。最初はVRコンテンツをスマホだけで見られる紙製のビューアー「カードボード(Cardboard)」、直近なら、全視界型VRを対応アンドロイド・スマホで見られるヘッドセット「デイドリーム・ビュー(Daydream View)」だ。
こうした取り組みによって、多くのモバイルARアプリやVRアプリが生まれている。だが、スマホやソフトウェアがどんどん進歩しているため、スマホやヘッドセットを使って何ができるアプリなのかを把握するのは難しい。そこで、自宅で最新ヘッドセットを使用している新し物好きの人でも、単にARやVRといったテクノロジーに興味があるだけの人でも、チェックする価値のあるモバイルARアプリとVRアプリを以下にまとめた。
紹介するアプリは、現在もっとも役に立つARアプリやVRアプリだという理由で選んだものではない。どのアプリも、主に娯楽目的だ。しかし、新しいARやVRのテクノロジーの可能性について考えたり、今、何ができるようになっているのかを体感したりするのに役立つという点で、試す価値はある。
1. ユークリッド・ランド(Euclidian Lands)/iOS用:4ドル
アイフォーン(iPhone)、アイパッド(iPad)用のARパズルゲームだ。ユークリッド・ランド(Euclidian Lands)は、人気ゲームのモニュメント・バレー(Monument Valley)を彷彿とさせるデザインだ。ゲームはどんどん複雑化していくキューブ型の城で構成されており、その城の一部をひねって回転させ、赤いケープをまとった男性主人公が敵をやっつける手助けをする。アプリの操作は直観的でスムーズだ。画面上の城のパーツを、回転させたい方向に指でスワイプするだけ。そしてヒーローのたなびくケープはいうまでもなく、鮮明なキューブ型の城もとても印象的だ。
アップルのARアプリを簡単に作成できるARKitソフトウェアを使って、3Dオブジェクトを特定の場所に固定したり、いろいろな角度から眺めても場所がずれたりしないようにしてる。ただし、そのゲームの遊び方にすぐに馴染めるかどうかはわからない。たとえば、戦略を立てるためにパズ …