シリコンバレーから転じたCTOが目指す、米民主党の再生戦略
ウーバーやツイッターの技術部門で要職を務めた男はいま、米民主党全国委員会のCTOとして党のテック戦略を練り直している。セキュリティからネットを使った選挙活動まで、党内の古い文化やハッカー、共和党に立ち向かいながら、テクノロジーを根付かせるための改革を断行中だ。 by Martin Giles2018.02.16
政治はテクノロジーの手腕を問うレースとなった。2008年と2012年の米国大統領選挙で民主党はライバルを打ち負かした。2016年には共和党が反撃に出た。ビックデータ分析とマイクロ・ターゲティングによるオンライン広告を駆使し、ドナルド・トランプをホワイトハウスへ送り込んだ。
マサチューセッツ工科大学(MIT)卒業生で、全米の民主党組織を統率する委員会、民主党全国委員会(DNC)のラフィ・クリコリアンCTO(最高技術責任者)は、民主党を再び優勢にするために党のテック戦略を再構築している。ソフトウェア・エンジニアリングの専門家であるクリコリアンCTOは、過去にウーバー(Uber)の先端技術センターを率いて、初の無人乗用車を路上で走らせた経験もある。その前は、ツイッターのインフラを管理するチームのリーダーを務めていた。
クリコリアンCTOは、MITテクノロジーレビューのマーティン・ガイルズサンフランシスコ支局長のインタビューに答えた。
——DNCのCTOに就くために、シリコンバレーで注目されている仕事を辞めたのはなぜですか。
大統領選挙の後、世界は壊れていると感じました。これまでの仕事を通じて身につけたことを活かして、変化を起こせる場所を見つける必要があったからです。
——選挙中、DNCは電子メールのハッキングに苦しみました。セキュリティを強化するためにどうしますか。
セキュリティは手腕を競うレースです。多くの多国籍企業と同じ方法でセキュリティを実施していますが、大企業ほどの予算はありません。電子メールなどのすべてのサービスを、マイクロソフトやグーグルといった会社が運営するクラウド・サービスに移行 …
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