実際の気象観測データと照らし合わせて気候モデルの予測性能を検証した最新の研究によると、地球温暖化に関する最悪の予測が現実のものとなる見込みが高まっている。
12月6日付のネイチャー誌に掲載された研究論文によると、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)」の温室効果ガス濃度上昇予想のうち、最も急激なものに基づいて予測した場合、地球の気温は今世紀末までに摂氏5度近く上昇する可能性があることがわかった。前回の予測を15%上回る数値である。新たな分析結果では、「旧態依然」シナリオと呼ばれる状況下で2100年までに地球の気温が4度以上上昇する確率が62%から93%に増大した。
気候モデルとは、さまざまな要因が気候に及ぼす影響を評価するための高度なソフトウェアによるシミュレーションのことだ。科学者たちは今回の研究のために10年分以上の衛星観測データを集め、雲や雪、氷などに反射して宇宙空間に戻される太陽光線の量、地球から逃げていく赤外線の量、地球の大気におけるエネルギーの流入・放出の総合的なバランスを調査した。次に、「大気圏外」で観測されたデータを各種気候モデルから得た予測結果と比較し、人工衛星による実際の観測結果をどのモデルが一番正確に予測したかを決めた。
気候システムを出入りするエネルギー流量の現実の観測結果に最も近い結果を出したのは、今世紀に見込まれる上昇 …