DIY遺伝子療法に対する連邦政府の警告にも関わらず、2つの企業はDNAを改変する材料を一般の人々に提供し続けるという。
オーディン(Odin)とアセンダンス・バイオメディカル(Ascendance Biomedical)の2社はともに最近、自社の研究室で作ったDNA分子を自己投与する人々の映像をオンラインに投稿した。
この映像が広く配信されたことを受けて、米国食品医薬局(FDA)は11月21日、DIY遺伝子療法キットについて消費者に警告し、販売を違法だとする 厳しい調子の声明を発表した。「こうした製品の販売は違法です。関連する安全性リスクを懸念しています」とFDAは述べている。
FDAはどの製品のことか明言はしなかった。2社の経営幹部はともに、自社が警告のターゲットかもしれないが、FDAからの連絡はまだないとしている。
MITテクノロジーレビューに対してFDAは、「調査・監視活動に関する情報は、処置を検討しているかどうかも含めて、強制措置がとられるまで通常一般に公開されません」と語った。
通常、製薬会社は新しい医薬品の試験のためにFDAの許可を求める必要があり、手続きにはしばしば何年も何億ドルもかかる。しかし現在、DIY遺伝子療法の事例が増えており、個々人が薬物を自己投与することを禁じる法律はないとの主張もあるため、規制当局が置かれた状況は難しくなりつつある。実際、長い歴史の中で、ノーベル賞受賞者を含めて科学者たちは自分自身の体を使って実験してきた。
DIYバイオロジー・キットと用品をWebサイトで販売するオーディンのジョサイア・ザイナー最高経営責任者(CEO)は10月、カリフォルニア州で開催されたバイオハッカー・カンファレンス中に遺伝子編集ツールのCRISPR(クリスパー)を自分自身に注入している動画を投稿した。この動画はYouTubeで5万8000回以上視聴されている。
FDAのスコット・ゴットリーブ局長は11月21日に、自己投与を目的としたCRISPR関連商品を販売する企業を直接強く非難する声明をツイッターに投稿するとと …