AIはバブル、汎用人工知能はまだ先——MIT教授らが指摘
人工知能(AI)分野において近年、多くの飛躍的な進歩があったにもかかわらず、現在のAIの知能は依然として人間レベルにはほど遠い。マサチューセッツ工科大学(MIT)やスタンフォード大学の研究者たちが、現在のAIの状況を定量化して評価し、問題点を指摘する報告書を作成した。 by Will Knight2017.12.04
人工知能(AI)の進歩に世間が盛り上がっているにもかかわらず、知能を持った機械が普段の生活にいまだに使われていないことを疑問に思う人もいるだろう。
人間レベルの知能がすぐにでも実現するのではないかという期待感を、大衆や政治家、投資家に抱かせるほどの重要な進展があったのは確かだ。しかし実際の進歩の評価を試みた新たな報告書で、人間レベルの知能の実現はまだ遠い先の話であることが判明した。今後数年でAIが経済や仕事にどう影響するかという議論の参考資料として、この報告書が役立つかもしれない。
「近年、多くの飛躍的進歩があったことは間違いありません」と語るのは、報告書の執筆者の1人である、マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営学大学院のエリック・ブリニョルフソン教授だ。「しかし汎用人工知能(artificial general intelligence)にはまだ遠いこともまた確かです」。
ブリニョルフソン教授は、画像の分類や音声認識では目覚ましい進展があったと指摘する。しかしこうした作業用に訓練したコンピューターは他のことがほとんどできず、作業の性質が少しでも変わったり、まったく馴染みのないものに …
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