ドナルド・トランプが大統領の職に就いて10カ月経ったが、科学顧問をまだ任命していない。ホワイトハウスの米国科学技術政策局(OSTP、科学顧問が局長に就任)が設立された1976年以降、大統領が10カ月もの間、科学顧問を指名しなかったのは最長記録である。
OSTPの要職もまだ埋まっていない。議員や科学の専門家からは憂慮する声が上がっている。加えて、トランプ大統領が科学へ敵意を持っていることも懸念材料だ。
11月第3週、政権によるこの空白に対処するため、民主党上院議員グループがトランプ大統領に書簡を送り、「十二分の資格を有する」科学とテクノロジーの専門家を、空白が続いているポストに任命するように要請した(「政策決定に科学的助言は不要!トランプ政権の危機対応能力が危機」参照)。
書簡では、過去130名以上いたOSTPのスタッフが現在50名を下回っていると指摘している。同時に、トランプ大統領になってからの最初の9カ月間で起きた数多くの問題に、専門家の助言が役立ったはずだと指摘している。問題とは、たとえば、気候変動、イランの核開発計画における交渉、北朝鮮の核問題に関することだ。
また、11月第3週、上院保健教育労働年金委員会 …