トップ不在、人員半減——停滞続くトランプ政権の科学技術行政
トランプ大統領が科学顧問を指名しない期間は、歴代大統領の中で最長になった。これまで、ホワイトハウスの科学技術政策局は数多くの科学的な問題解決に関与してきた。科学顧問は経済顧問や安全保障担当と同じぐらい重要な役職だ。それにもかかわらず、トランプ政権にまだ指名の動きがないことに議員や科学者はいらだちを隠せない。 by Emily Mullin2017.11.27
ドナルド・トランプが大統領の職に就いて10カ月経ったが、科学顧問をまだ任命していない。ホワイトハウスの米国科学技術政策局(OSTP、科学顧問が局長に就任)が設立された1976年以降、大統領が10カ月もの間、科学顧問を指名しなかったのは最長記録である。
OSTPの要職もまだ埋まっていない。議員や科学の専門家からは憂慮する声が上がっている。加えて、トランプ大統領が科学へ敵意を持っていることも懸念材料だ。
11月第3週、政権によるこの空白に対処するため、民主党上院議員グループがトランプ大統領に書簡を送り、「十二分の資格を有する」科学とテクノロジーの専門家を、空白が続いているポストに任命するように要請した(「政策決定に科学的助言は不要!トランプ政権の危機対応能力が危機」参照)。
書簡では、過去130名以上いたOSTPのスタッフが現在50名を下回っていると指摘している。同時に、トランプ大統領になってからの最初の9カ月間で起きた数多くの問題に、専門家の助言が役立ったはずだと指摘している。問題とは、たとえば、気候変動、イランの核開発計画における交渉、北朝鮮の核問題に関することだ。
また、11月第3週、上院保健教育労働年金委員会 …
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