
筆致から贋作を見破るAI鑑定士、8割の確率で作家も特定
米国とオランダの研究者が、線画の筆致を学習することで偽造を見抜くことができる人工知能(AI)システムを開発した。深層再帰型ニューラルネットワークと機械学習アルゴリズムを使うことで、8割の確率で線画の作者を正しく特定できた。 by Jackie Snow2017.11.24
芸術作品の偽造を見抜くのは、難しく、費用がかかる作業だ。美術史家は、赤外線分光法、放射年代測定、ガスクロマトグラフィー、あるいはこれらを組み合わせた検査をしてもらうために、疑わしい作品を研究室に持ち込むかもしれない。人工知能(AI)を使えば、そうした検査はどれも必要ないことが判明した。つまり、AIは作品の創作に使われた筆致(ストローク)を見るだけで、贋作を見抜けるのだ。
そのシステムは、ニュージャージー州のラトガース大学とオランダの「絵画の修復と研究のためのアトリエ(Atelier for Restoration & Research of Paintings)」の研究者たちが開発した。新たに発表された論文によると、開発したシステムは、ピカソ、マティス、モディリアーニなどの有名な芸術家による約300の線画を8万の個々のストローク(筆致)に分解して、筆致の中のどの特徴が芸術家の特定に重要なのかを深層再帰型ニューラル・ネットワーク(RNN)が学習する。
研究者たちはま …
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