KADOKAWA Technology Review
×
【1/31東京開催】若手研究者のキャリアを語り合う無料イベント 参加者募集中
消費電力はナイジェリア並み
「大食漢」ビットコインに
未来はあるか?
John Malta
カバーストーリー 無料会員限定
Blockchains Use Massive Amounts of Energy—But There’s a Plan to Fix That

消費電力はナイジェリア並み
「大食漢」ビットコインに
未来はあるか?

ビットコインには「採掘」に大量のエネルギーを消費するという問題がある。エネルギーを節約できる採掘の手法も提案されているが、解決しなくてはならない欠陥がまだたくさんある。 by Mike Orcutt2017.11.20

ビットコインに長期的な未来があるのかという議論には、決まって次のような話が登場する。「確かにビットコインは、信任された中央機関がなくても価値を交換することを可能にしてくれます。それは素晴らしいのですが、そのためにどれだけのエネルギーが必要なのか知っていますか?」。

実際、ビットコインはエネルギーを食う。ビットコインが年間に消費する電力量は、ナイジェリア全体の年間の電力消費量に匹敵する。イーサリアムも、他のほとんどの暗号通貨と同じように電力を消費する。最悪のように思えるかもしれないが、解決策が手に入るかもしれないと信じるのには理由がある。

解決策に話を進める前に、採掘者の話をしておこう。世間の関心を集めているブロックチェーンだが、それだけではデータセットの共有にすぎない。ビットコインやイーサリアムのような暗号通貨は、ネットワーク内のすべてのコンピュータが、ブロックチェーンの情報が正しいと同意し続けることで、命を吹き込まれるのだ。そのために使われているのが、合意形成メカニズムと呼ばれるアルゴリズムだ。「採掘」という言葉の方が、馴染みがあるかもしれない(「What Bitcoin Is, and Why It Matters」を参照)。

暗号通貨の採掘者たちは、新しいコインを発行させるだけではない。採掘のプロセスの中で、人々が不正にコイン …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【冬割】実施中! 年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. How a top Chinese AI model overcame US sanctions 米制裁で磨かれた中国AI「DeepSeek-R1」、逆説の革新
  2. OpenAI has created an AI model for longevity science オープンAI、「GPT-4b micro」で科学分野に参入へ
  3. 10 Breakthrough Technologies 2025 MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版
▼Promotion
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る