KADOKAWA Technology Review
×
本当にほしいのはこんな服?
架空の商品も提案する
ファッションAIの未来
Daniel Savage
カバーストーリー Insider Online限定
This AI Learns Your Fashion Sense and Invents Your Next Outfit

本当にほしいのはこんな服?
架空の商品も提案する
ファッションAIの未来

オンライン小売業では、サイトでの顧客の閲覧履歴や購入履歴に基づくおすすめ商品をページに表示するのが一般的だ。カリフォルニア大学とアドビの研究者は、ユーザーの服装の好みに基づいてカスタマイズした、新たな衣服の画像を生成する人工知能(AI)システムを開発した。 by Jackie Snow2017.11.22

人工知能(AI)は全く新しいタイプの流行を生み出すかもしれない。 名付けて「予測的ファッション」だ。

カリフォルニア大学(UC)サンディエゴ校とアドビの研究者は、AIを用いてある人の服装のスタイルを学習し、そのスタイルに合う商品画像をコンピューターで生成する方法について述べた論文をアーカイブ(arXiv)で発表した。このシステムは、個人に合った衣服を小売業者に作らせたり、より幅広いファッションの流行を予想したりするのに役立つかもしれない。

論文では、2つの異なるアルゴリズムについて詳しく説明している。研究者たちは最初に、アマゾンから集めた6つのカテゴリー(男女それぞれの靴、トップ、パンツ)の購入データを使って、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:convolutional neural network)を訓練して、いくつかの商品についてユーザーの好みを学ばせ分類させた。この種のおすすめ機能は、オンライン小売業界では一般的であり、通常、ページの下部の「あなたにおすすめの商品」欄に表示される。

次に、研究チームはこの情報を使って、競争式生成ネットワーク(GAN:generative adversarial network)を訓練した。GANはAIの一種であり、特に写実的な画像を生むことに長けている。GANは2つのネットワークに同じデータを与えて訓練することで動作する。一方のネットワークがそのデータセットに基いて偽の画像を作り、もう一方が同じデータを使用して画像が本物かどうかを決定する。この方法で、ネットワークは結果を改善していく。今回の研究では、GANを用いてそれぞれのユーザーに対し、複数の商品画像を生成した。

MITテクノロジーレビューが選出し …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. The three big unanswered questions about Sora 時間も資金も溶かす? AI動画SNS「Sora」3つの疑問
  2. EV tax credits are dead in the US. Now what? 米EV減税が正式廃止、今後の動きをドイツの先例から予想
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
気候テック企業10 2025

MITテクノロジーレビューは毎年、気候テック分野で注目すべき企業を選出し、その一覧を発表している。 今回で3回目となる本特集では、なぜこれらの企業を選出したのか、そして米国の政治的変化をどのように考慮したのかについても詳しく解説している。併せてお読みいただきたい。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る