IBMは11月10日、50キュービット(量子ビット)を備えた量子コンピューターを発表し、量子コンピューティングにおける目標を達成した。同社はまた、クラウド・コンピューティング・プラットフォーム上で20キュービットのシステムを利用可能にしようとしている。
IBM、グーグル、インテル、そしてリゲッティ(Rigetti) というサンフランシスコのスタートアップ企業が現在、量子コンピューターの実用化を競っている。量子コンピューターは旧来のコンピューターとは異なり、量子物理学の反直感的な性質を利用して情報を処理する。
もっともIBMの発表は、量子コンピューティングを一般利用する準備ができたことを意味しているわけではない。IBMが開発したシステムは他社が構築している量子コンピューターと同じように、まだ使うのがとても大変なのだ。50キュービットのシステムと20キュービットのシステムのいずれにおいても、量子状態は業界記録である90マイクロ秒は保存されるが、それは依然として極端に短い時間だ。
とは言うものの、50キュービットは量子コンピューターの実用化へ向けた重要な目標だ。他社のシステムは現時点では能力は限定的であり、従来のスーパーコンピューターと同程度の計算能力しか発揮できない。50キュービットの機械は、量子テクノロジーなしではシミュレートすることが非常に難しい処理を実行できる。
通常のコンピューターは情報を1か0で保持するが、量子コンピューターはそれとは異なった方法、状態の重ね合わせと量子もつれという2つの現象を用いて情報を処理する。
「今回の達成を誇りに思います。まったく大したも …