KADOKAWA Technology Review
×
【1/31東京開催】若手研究者のキャリアを語り合う無料イベント 参加者募集中
50キュービットの
量子コンピューターを
IBMがついに発表
カバーストーリー 無料会員限定
IBM Raises the Bar with a 50-Qubit Quantum Computer

50キュービットの
量子コンピューターを
IBMがついに発表

量子コンピューターの実用化に向けての目標である「量子超越性」の実現には、49キュービット(量子ビット)を実装したシステムが必要だとされている。先日、IBMがついに50キュービットの量子コンピューターを発表した。 by Will Knight2017.11.15

IBMは11月10日、50キュービット(量子ビット)を備えた量子コンピューターを発表し、量子コンピューティングにおける目標を達成した。同社はまた、クラウド・コンピューティング・プラットフォーム上で20キュービットのシステムを利用可能にしようとしている。

IBM、グーグル、インテル、そしてリゲッティ(Rigetti) というサンフランシスコのスタートアップ企業が現在、量子コンピューターの実用化を競っている。量子コンピューターは旧来のコンピューターとは異なり、量子物理学の反直感的な性質を利用して情報を処理する。

もっともIBMの発表は、量子コンピューティングを一般利用する準備ができたことを意味しているわけではない。IBMが開発したシステムは他社が構築している量子コンピューターと同じように、まだ使うのがとても大変なのだ。50キュービットのシステムと20キュービットのシステムのいずれにおいても、量子状態は業界記録である90マイクロ秒は保存されるが、それは依然として極端に短い時間だ。

とは言うものの、50キュービットは量子コンピューターの実用化へ向けた重要な目標だ。他社のシステムは現時点では能力は限定的であり、従来のスーパーコンピューターと同程度の計算能力しか発揮できない。50キュービットの機械は、量子テクノロジーなしではシミュレートすることが非常に難しい処理を実行できる。

通常のコンピューターは情報を1か0で保持するが、量子コンピューターはそれとは異なった方法、状態の重ね合わせと量子もつれという2つの現象を用いて情報を処理する。

「今回の達成を誇りに思います。まったく大したも …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【冬割】実施中! 年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. How a top Chinese AI model overcame US sanctions 米制裁で磨かれた中国AI「DeepSeek-R1」、逆説の革新
  2. OpenAI has created an AI model for longevity science オープンAI、「GPT-4b micro」で科学分野に参入へ
  3. 10 Breakthrough Technologies 2025 MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版
▼Promotion
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る