KADOKAWA Technology Review
×
始めるならこの春から!年間サブスク20%オフのお得な【春割】実施中
グーグルによる市場独占は
なぜ許されるのか?
米独禁法の第一人者に聞く
カバーストーリー Insider Online限定
Gary Reback: Technology’s trustbuster

グーグルによる市場独占は
なぜ許されるのか?
米独禁法の第一人者に聞く

グーグルをはじめとする大手テック企業は、市場を独占し続けているにもかかわらず、有効な是正措置を受けていないように見える。マイクロソフトの独占禁止法裁判でシリコンバレーに名を馳せたゲイリー・レバック弁護士に、現在直面している課題について聞いた。 by Martin Giles2018.07.09

ゲイリー・レバックは、マイクロソフトを攻撃するように米国司法省を仕向けた弁護士としてシリコンバレーで有名な人物だ。マイクロソフトがWindowsの支配力を悪用し、ネットスケープのブラウザーからインターネット・エクスプローラーのシェアを奪ったとして訴えたのだ。この有名な訴訟は何年も続き、こう着状態のまま2001年に終了した。これに懲りたマイクロソフトは、以降はより慎重に事を進めるようになった。

レバック弁護士は現在、カー&フェレル(Carr & Ferrell)に勤務しており、最近は欧州でグーグルとやりあっている。グーグルは昨年、オンライン・ショッピングサービスでの競争を抑圧したとして、欧州で24億ユーロ(27億ドル)の罰金を科された。

新しい世代の大手テック企業に独禁法取締官が対応する際に直面する課題について、MITテクノロジーレビューのサンフランシスコ支局長であるマーティン・ジャイルズがレバック弁護士に聞いた。

——テック業界では絶えず競争が新たな勝者を生んでいます。

人々は常にこう言います。テック業界の皇帝は自然と現れては消えていくと。そして、ブラックベリー(BlackBerry)やマイスペース(MySpace)を例にあげます。しかし、この業界の現実は、常に独占があるいうことです。AT&Tがいて、次にIBM、その次にマイクロソフトです。市場は現在、非常に成熟しています。グーグルのような企業は何年も同じ市場シェア率を維持し、新たな競争相手にしばらく遭遇していません。

——大手企業は解体されるべきでしょうか?

独禁法を執行する者としては、いきなり解体から始めたいとは決して思わないでしょう。まずは争点となっている反競争的行為について、是正できるかどうかを確かめることから始めます。是正が可能であれば、是正した後、自由市場が新たな競争を受け入れるのに十分であったかを検討します。

——是正できない場合はどうなりますか?

歴史的に、大手テック企業の独占に対して厳しい判断を下 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #32 Plus 中国AIをテーマに、MITTR「生成AI革命4」開催のご案内
  2. AI companions are the final stage of digital addiction, and lawmakers are taking aim SNS超える中毒性、「AIコンパニオン」に安全対策求める声
  3. What is vibe coding, exactly? バイブコーディングとは何か? AIに「委ねる」プログラミング新手法
  4. Tariffs are bad news for batteries トランプ関税で米電池産業に大打撃、主要部品の大半は中国製
▼Promotion
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る