世界初、中国の中央銀行が電子通貨をテスト中
中国人民銀行は、汚職の撲滅や幅広く人民元を流通させるためにも、独自の電子通貨を開発して導入する準備を進めている。電子通貨を導入する初の国家となるのだろうか。 by Will Knight2017.06.25
中国の中央銀行(中国人民銀行)が国内の市中銀行と模擬取引を行い、電子通貨のプロトタイプをテスト中だ。
職員の談話や調査結果から、中国人民銀行の戦略は人民元と並行して流通する電子通貨を導入することだと見られる。しかし、現時点では具体的な予定はなく、中国人民銀行は慎重に進めていくようだ。
このテストは重要な意味を持つ。将来、この電子通貨は中国経済と世界的な金融システムに広範な影響を与える可能性があることから、中国は技術的、物流的、経済的な課題を真剣に調査している。
デジタル法定通貨は中央銀行が保障する、紙幣と同様の金銭価値を持つ通貨である。金融取引のコストが安いため、幅広く金融サービスに利用できるようになる。これは、銀行が利用できない人がいまだに数百万人いる中国では、重要な意味を持つ。電子通貨は運用コストが安く、詐欺や偽造も減らせると見られている。
さらに注目すべきことは、もはや日常的に行われている電子取引を、電子通貨によって中国政府が監視できることだ。取引が追跡できれば、政府が最優先課題としている汚職の撲滅にも役立つ。さらに、こうした通貨はリアルタイムで経済を洞察できるので、政策担当者にとっては非常に貴重だ。将来的には国境を越えた取引や通貨の入手が容易なため、中国国外からの人民元の利用を促進する可能性もある。
仮想通貨としても知られている私的な電子通貨は、近年大きな注目を浴びた。特に、暗号化された分散型仮想通貨のビットコインは2008年に匿名の個人またはグループによって発明され、以降、投資や投機の対象としてまたたく間に世界中に広まっていった( “What Bitcoin Is, and Why It Mat …
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