茶色くならない
遺伝子組み換えリンゴは
消費者にウケるか?
米国企業が、遺伝子操作で茶色く変色しないようにしたリンゴを今秋から店頭で販売する。商品パッケージに遺伝子組み換え食品の表示がないので消費者団体などの反発が予想されるが、開発者は変色しないリンゴはリンゴの売上を伸ばし廃棄を減らす可能性があるとしている。 by Andrew Rosenblum2017.10.12
米国の合成生物学分野の複合企業が、今秋から遺伝子組み換えリンゴを販売する予定だ。「アークティック(Arctic)」と呼ばれるこのリンゴは「遺伝子組み換え食品(GMO)」の表示なしで販売される。
アークティックリンゴは、変色を抑制するように遺伝子操作がされており、米国中西部と南カリフォルニアの最大400店舗で袋入りカットリンゴとして販売される。アークティックリンゴの発売は、生産者の生産性向上よりも消費者へのアピールを意図した遺伝子組み換え食品が受け入れられるかどうか、初の重要な試金石となる。
アークティックリンゴは、ゴールデンデリシャスリンゴの遺伝子を改変したリンゴで、非公開企業のオカナガン・スペシャルティ・フルーツ(Okanagan Specialty Fruits)が開発した。オカナガンは2015年にメリーランド州のバイオテク企業イントレクソン(Intrexon)に4100万ドルで買収されており、イントレクソンの他の事業部ではすでに、遺伝子組み換えサーモン、クローン牛、自らを絶滅させる蚊を市場に出している。
イントレクソンはアークティックリンゴを袋入りカットフルーツとして販売する予定だが、「遺伝子組み換え技術を利用して生産しました」と表記するつもりはなく、遺伝子組み換え食品であることを示す包装デザインもしないという。その代わり、2016年の表示法で認められた通り、リンゴの生産方法を詳しく記したWebページにリンクするQRコードを掲載するという。
10月第一週にサンフランシスコで開かれたプレゼンテーションで、オカナガンの創設者兼社長であるニール・カーター(Neal Carter)は …
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