パスワードと違って、同じ顔は1つとしてない。その単純な事実によって、顔認証は株取引からビデオゲームに至るまで、近い将来、非常に有力な認証システムになるかもしれない。スマートフォンによる生体認証がますます一般的、かつ高度になっているからだ。
https://s3.amazonaws.com/files.technologyreview.com/p/pub/files/zoomwireframeupdate_0.mp4
アップルのような一部の企業は、赤外線カメラなどのセンサーで顔を3Dマッピングするのが最善だと考えているが、その技術が使えるのはハイエンド機種のスマホに限られている。一方で、ラスベガスの小さなスタートアップ企業フェイステック(FaceTec)は、あらゆるタイプのスマホにソフトウェアだけで動く3D顔認識を搭載しようとしている。
フェイステックの「ズーム(Zoom)」技術は、相手が写真や映像ではなく本物の人間かどうか、スマホの正当な所有者かどうかを判別するのに、アップルとは別の方法を採用している。スマホのカメラを顔に近づけるときに発生するひずみに着目し、あらかじめスマホに保存してある画像と、アプリを使うときの画像のひずみを比較して、違いを分析するのだ。
パスワードに代わる認証方法へ移行する動きはここ数年かけて進んでおり、指紋や虹彩スキャン、顔といった生体認証技術はスマホにも次第に浸透しつつあるものの、大きな成果は収めていない。とはいえ、特に顔認証 …