グーグル新製品ラッシュから見えた、コンピューティングの未来
グーグルが発表した新製品は、ユビキタス・コンピューティングが現実味を帯びてきたことを感じさせるものだ。だが、必ずしもいい面だけでなく、恐ろしさを覚える面もある。 by Rachel Metz2017.10.16
圧倒的で凄まじく、そして恐ろしい。2017年10月4日にサンフランシスコで開催されたグーグルのプレスイベントで見えたのは、少し先の未来だった。
この日グーグルが発表した新製品の多くは、従来製品の新版にあたるものだ。「ピクセル2(Pixel 2)」と「ピクセル 2XL(Pixel 2XL)」といった新しいスマホや、実質現実(AR)ヘッドセット「デイドリーム(Daydream)」の最新版、パーソナル・アシスタント機能が付いたスピーカー「グーグル・ホーム(Google Home)」の小型版と大型版、折り畳みできるノートPC「ピクセルブック(Pixelbook)」。さらに事前に予想されていた、日常をデジタル・データとして記録するカメラ「ピクセル・クリップス(Pixel Clips)」、無線イヤホン「ピクセル・バッズ(Pixel Buds)」の2つの新製品も発表された。ピクセル・バッズは、ピクセル・シリーズのスマホで利用できるリアルタイム翻訳(実際はリアルタイムに近い翻訳)機能を搭載している。
発表された新製品の多くはグレーの色合いの素材で覆われており、見た目はとても魅力的だ。だがそれ以上に驚いたのは、「気に入ろうが気に入るまいが、未来にはいたるところにコンピューターが溢れていて、さまざまな方法であらゆるものにアクセスできる」というメッセージだ。
ユビキタス・コンピューティング、あるいはパーベイシブ・コンピューティングと呼ばれるアイデア自体は新しいものではない。これまでもテレビやサーモスタット、コーヒーポット、時計、自動車などがスマートに進化する過程を私たちは目にしてきた。いまや多くの人々がスマホやノートPCだけでなく、さまざまなコンピューターに1日中依存している。
新しいのは、急速に進歩している機械学習能力の活用だ。例えば、インドネシア語が話せなくても(インドネシアの)ウブドにあ …
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