毎日600万人以上の人々が、同僚と連絡を取り合ったり情報を共有したりするハブとして、スラック(Slack)を利用している。サンフランシスコに本社を置くスラックは、2億5000万ドル増資したばかりで、企業価値は51億ドルにも上っている( 「10 Breakthrough Technologies 2016: Slack」を参照)。
だが、マイクロソフト・チーム(Microsoft Teams)、 アトラシアン・ストライド(Atlassian Sride)、 グーグル・ハングアウト チャット(Google Hangouts Chat)、ワークプレイス・バイ・フェイスブック(Workplace by Facebook)といった、新しい競合サービスが続々と職場用コミュニケーション市場に参入。スラックの優位性に挑戦しており、中にはスラックよりも生産的だと売り込んでいるツールもある。
ボストンに滞在中のスラックのスチュワート・バターフィールドCEO(最高経営責任者)は、MITテクノロジーレビューに対して、人工知能(AI)を利用して人々がデータに圧倒されないようにしたいと、計画を語ってくれた。以下はインタビューを抜粋したものである。
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一般公開から3年半たった今でもスラックは成長を続けていますが、職場用ツールとしての効率性はどうなのかと考える人も出てきました。
現代の職場での日々のたいていの不満は、情報が伝わってこない、どんな意思決定がなされているのか理解できない、何が起こっているのか分からない、といったことでしょう。そういった疎外感は、実際のところスラックを使えば緩和されます。1万人の企業で働いていて、主要なコミュニケーション手段が電子メールだとしたら、会社全体で起こっているあらゆるコミュニケーションのうち、アクセスできるのは1%のそのまた何百分の1、といったところではないでしょうか。ですがスラックを利用すれば、10%あるいは20%にアクセスできるかもしれません。
裏を返せば、企業にはもっとたくさんの情報がある、ということです。スラックはすでに多くの機能を導入し、情報が大量に流れてくる場合の影響を緩和できるようにしています。たとえば、スラックの利用開始時には新しいメッセージが届くたびに通知を送りますが、その後まも …