拡張現実を採用する産業リストに、通勤用鉄道システムを追加だ。効率を高め、コストを削減し、労働者のスキルを高める。
KEOLISコミューターサービス(KCS、マサチューセッツ湾交通局(MBTA)が運営するボストン市を中心とする広域都市圏の通勤用鉄道システム)は来月、整備士にARスマートグラスを配布し、主要な車両整備基地にいる専門技術者と連絡できるようにする。目標は列車修理の迅速化と整備士が引き起こす混乱の削減だ。
プロジェクトが使うソフトウェアはスタートアップ企業AMA XpertEye製で、スマートグラスとウェブベースのインターフェイスを接続する。AMA XpertEyeのメガネをエプソン、グーグル、ODG(サンフランシスコに本社のあるヘッドアップディスプレイメーカー)、ビュージックス(ロチェスターに本社のあるウェアラブル機器メーカー)などのメーカーから仕入れ、Androidベースの自社製のOSを搭載させる。テクノロジーによって着用者は(たとえば作業現場から)リアルタイムで映像を撮影し、オフィスなど、別の場所にいる誰かに表示できるようになる。
通常は、作業現場の着用者は、スマートグラスと接続先のスマホでインターフェイスにアクセスし、離れた別の場所にいる専門家は、ノートパソコンを使う。どちらの側もテキストメッセージをやりとりしたり、動画のスクリーンショットを撮ったり、画像に注釈を付けたり、お互いに送り合ったりできる。動画は後日の再生や訓練のために保存できる。通信は暗号化され、3G、4G、Wi-Fi、イーサネットケーブルを使う。
このテクノロジーを「簡易型AR」あるいは強化視覚と考えよう。AMA XpertEyeのアン=フルール・アンドレルCEOは「私たちがしているのは画像処理による人間の視覚機能の向上です。拡張現実に思い浮かべることとは違います」という。一方、設計指向の強い業界、た …