フェイスブックは先週勃発した広告ブロッカーとの戦争に勝てないだろう。
そう話すのはプリンストン大学のアービンド・ナラヤナン准教授と学部生のグラント・ストーレイ。2人は広告を「ハイライトする」ための実験的なGoogle Chrome用ツール「フェイスブック広告ハイライター」を開発した。ツールをインストールすると、ニュースフィード上の広告が白黒になってその上に「これは広告です(THIS IS AN AD)」と表示される。
フェイスブックは8月9日に広告ブロックを回避して広告を表示する方針を発表したが、8月11日には最人気の広告ブロッカーAdblock Plusが、さらに新しい広告回避策をユーザーに告知した。
フェイスブックが反撃する可能性はまだある。実際、広告部門の幹部はその意思を表明している。しかしナラヤナン准教授はブログで広告ハイライターを紹介しながらフェイスブックがこの戦いに勝てない理由を説明している。
現在の広告ブロッカーはHTMLコードを調べることで機能する。HTMLとはウェブページを作るための基本言語で、ブラウザーがどのようにページを表示し、画像やその他のファイルをどこから取り込むかなどを指定している。フェイスブックが広告ブロックに対してとった最初の対策は、HTMLを読み取りにくくして、ページのどの部分が広告なのかわからないようにすることだった。
広告ハイライターは別の手法で広告を判定する。HTMLではなく、人間が見るウェブページそのものを確認するのだ。単純に「スポンサー(Sponsored)」とタグ付けされた投稿を見つけてブロックするのだ。連邦取引委員会の規則とユーザー規約に従うなら、フェイスブックはどれが広告なのかをユーザーに対し明確に示さなくてはならず、この方法は非常に効果的だ。
ナラヤナン准教授はブログ記事で、フェイスブックのアンチ広告ブロックキャンペーンは失敗に終わるか、せいぜいあたかも広告ブロックを無効にできるかのようにふるまい続けるくらいしかできない、と結論づけている。
「以上が、フェイスブックが勝てない理由の簡単な説明です。しかし広告を検知する方法は、リスクを背負うことなく、もっとずっと確実な方法へと簡単に改善できるでしょう。フェイスブックの賢いエンジニアには自明のことです。ですから広告ブロックを回避して広告を出すというフェイスブックの強引なPRは、大きなはったりに過ぎないでしょう」
広告ブロッカーを利用する何億人ものユーザーの心をつかむためにフェイスブックがすべきことは、広告がユーザーにとってなるべく邪魔な存在にならないようにすることだ、とナラヤナン准教授は主張する。