アマゾンは最先端のファッションを提供するにはまだまだ力不足だ。だが、スタイリストやデザイナーを常に垢抜けた人工知能(AI)アルゴリズムに置き換えることができれば、最先端のファッションをリードする存在になるかもしれない。
電子商取引界の巨人であるアマゾンの研究者は現在、最新のファッション・トレンドを見つけ出して反応し、そしておそらくそれを形にすることさえできる機械学習システムの開発に取り組んでいる。これによってアマゾンは、たとえばソーシャルメディアの投稿で話題になった商品をベースにしたレコメンデーションなど、トレンドを反映した仕組みを小売に導入できるかもしれない。また、ファッション・ビジネスを拡張したり、ファッション分野で優位に立つ戦略を立案したりする際にも役立つはずだ。
「アマゾンは世界のファッション・トレンドに興味を示しています」と話すのは、コーネル大学のカビータ・バラ教授だ。バラ教授は、先週アマゾンが開催した機械学習とファッションに関するワークショップに参加した。「アマゾンの取り組みによって、ファッション産業が変貌することになるかもしれません」。
先進的な小売業者の多くは、最新のファッション・トレンドに素早く対応するために、インスタグラムやピンタレストなどのソーシャル・ネットワークを活用している。また、パーソナル・スタイリング・サービスを展開するスティッチ・フィックス(Stitch Fix)のようなスタートアップ企業は、ユーザーの好みやソーシャル・メディアでの情報を参考にして、ユーザーに合った商品コーディネートを提案している。
一方でアマゾンは、自社のアパレル事業を強化する動きを見せている。独自のファッション・ブランドを立ち上げ、商品写真を高品質にするために投資し、届いた服を購入する前に試着できるプライム・ワードローブ(Prime Wardrobe)といったサービスを始めた。アレクサ(Alexa)を搭載したエコー・ルック(Echo Look)のアプリは …