米国の建設会社ギルベイン建設(本社ロードアイランド州)の社員は、紙を使わず、コンピューターやiPadで設計図やデジタル模型を表示し、仕事をしている。さらにギルベインのジョン・マイヤーズ部長は、現在マイクロソフトの拡張現実コンピューターHoloLensを頭に装着し、図面の詳細部まで見るようになった。
最近、マイヤーズ部長がHoloLensを着けて建築計画の完成予想を確認したとき、建物の壁を支える注文予定の鉄骨が長すぎて設計に合っていないことを発見した。事前に問題点を発見できたので、ギルベインはすぐに材料メーカーに工場で短くするよう指示できた。おかげで、現場の作業員は長すぎる鉄骨が届いて現場でたくさんの工程を調整せずに済んだのだ。マイヤーズ部長は、ギルベインは約5000ドルの作業費を節約できたと試算している。
建設業は、最も自動化しにくい業界のひとつで、自動化には長い時間がかかる。しかし、拡張現実によって自動化の進行が早まるかもしれない。ユーザーの視界にホログラフィー像を投影するHoloLensなどのツールによって、計画の予算超過や工期の遅れを大幅に減らし、10兆ドル産業の効率を高めるかもしれない。ギルベインは、HoloLensの初期試用者の1社で、エンジニアリング会社のAECOM、設計建築会社のゲンスラーと中国建築国際集団(チャイナステートコンストラクション)も、HoloLensを実験的に使うと発表した。
ギルベインによれば、6月中旬に届いた3000ドルのHoloLensは、すでにその真価を発揮している。ギルベインがボストンに建設中の7000万ドル、約11150平方メートルのディアボーンSTEMアカデミーの実物大3Dモデルの確認中、マイヤーズ …