ツイッターをスクロールすれば、数多くの嫌味や皮肉なコメントを見かけることになる。そして、人びとは明らかに、皮肉を真正面から受け入れてしまうことが多い。
ありがたいことに、マサチューセッツ工科大学(MIT)のアルゴリズム研究者が開発したツイートの分析手法は、皮肉やその背景にある感情的な意味をうまく検知できる。
ソーシャルメディアの投稿から情緒を検知することは、ブランドや製品に対する印象の収集や、金融市場の動向を読み解く場合にすでに役立っている。しかし、ツイートやコメントの意味をさらに正確に洞察することは、コンピューターがオンライン上で悪口やヘイトスピーチを自動的に発見し、鎮圧するのに役立つ可能性がある。ツイッターをより深く理解することは、ネットワークにおける情報や影響力の広がり方の研究に役立つだろう。さらに、機械が賢くなるにつれて、感情を検知する能力は、人間対機械のコミュニケーションの重要な機能となる可能性がある。
研究者は当初、ツイッター上の人種差別的な投稿が検知できるシステムを開発することを目的としていた。しかし、すぐに多くのメッセージの本意が、皮肉の理解なしには適切に理解できないことに気が付いた。
このアルゴリズムは深層学習を活用している。深層学習とは、膨大なデータを使って微妙なパターンを認識させるためにニューラルネットワークを訓練をする、人気の高い機械学習手法だ。訓練では多くのツイートに、感情的な内容が分かるように絵文字を使ったラベルを付けている。これにより、システムがツイートに含まれる一般的な感情を読み取ることを補助し、そこからさらに、皮肉を認識するよう教えることに成功した。
「オンライン上では声に含まれるイントネーションや身振り手振りを使って文脈を説明することができないので、代わりに絵文字を採用しました」と、MITメディアラボのイーヤッド・ラーワン准教授は話す。ラーワン准教 …