テキサス州は、風を活用するのにどれだけ費用がかかるのかを学習している。
州旗にひとつ星が描かれていることから「Lone Star」といわれるテキサス州は、現在、全米最大の「風力発電」州だ。1万8000メガワット近くの発電容量があり、さらにカリフォルニア州に設置された風力発電の総発電量にほぼ匹敵する5500メガワット分の追加が計画されている。風力発電を増強する最大の要因は、80億ドルの送電システムで、州の西部と北部の荒野から、南部と東部の大都市ダラスやオースティン、サンアントニオ、ヒューストンに電気を運ぶために建てられた。
2014年に完成した新電力網「CREZ(Competitive Renewable Energy Zones:競争力のある再生可能エネルギー)」は、州全体に風力発電で生み出した約1万8500メガワットの電気を送電できる。だが、テキサス州の風力発電量は年内に2万1000メガワットに達すると見込まれ、送電しきれない分は電力網の過負荷となり、結果として風力発電機を止めざるを得ない場合があるのだ。
現在、州の電力部門や送電会社は何百万ドルもかかる送電網の更新に直面しており、化石燃料から再生可能エネルギーへの移行は、石油も風もふんだんに使えるテキサス州でさえ、費用がかかり、複雑な事業であることを示している。
テキサス北部に5つの …