だますAIと見抜くAIは
どっちが強い?
グーグルがコンテスト
AI同士がだまし合うコンテストが開催される。懸念される機械学習を利用したサイバー攻撃から防御するため、敵対的機械学習の研究を前進させることが目的だ。 by Will Knight2017.07.28
攻撃型人工知能(AI)と防御型AIがバトルを繰り広げる新しいコンテストの開催は、将来のサイバーセキュリティとサイバー戦争のありさまを知ることになる。
これから5カ月間にわたるコンテストは、データ・サイエンスのコンテストを開催するプラットホーム、カグル(Kaggle)で開催される。コンテストは研究者のアルゴリズムを競い合わせ、互いを混乱させ、だまし合わせるのが狙い。目的はアルゴリズム同士を戦わせることで、将来の飛び抜けてスマートなサイバー攻撃に備えた機械学習システムの強化方法を研究し、開発することだ。
「このコンテストは、多層ニューラルネットワークをだます研究、だまされない多層ニューラルネットワークを設計する研究、の2つを同時に進められる素晴らしいアイデアです」とワイオミング大学のジェフ・クルーン助教授(assistant professor)はいう。クルーン助教授の研究テーマは「機械学習の限界」だ。
コンテストは3つの部門に分かれる。1つ目は単に機械学習システムを混乱させ、正常に動作しないようにするのがテーマだ。2つ目は機械学習システムが分類を間違うように仕向けることを狙う。3つ目は最強の防御システムの開発を目的としている。コンテストの結果は、年末に開催予定の大規模なAIカンファレンスで発表される。
機械学習、とりわけ深層学習は多くの産業で急速に欠かすことのできないビジネスツールとなってきた。機械学習は、特殊なコンピューター・プログラムにデータを与え、特定の結果を指定し、機械にその結果を得るための独自のアルゴリ …
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