グーグルが進める大都市のデジタル化が着実に進捗中
グーグルのイノベーションはスマート・シティの実現にまで及んでいる。まずはグループ会社のインターセクションが手がける電話ボックスのスマート化からだ。 by Elizabeth Woyke2017.07.21
急いで地下鉄に乗ろうとしたら電車が遅れていて、イラっとしたことはないだろうか。こんなことなら歩くか、バスに乗ればよかったと後悔したことがあるはずだ。そんなとき、地下鉄の遅延情報と代替交通手段を教えてくれるデジタル・スクリーンが街角に設置されていたらどうだろうか。地域のイベントや、現在の公害レベル、あるい地方自治体のパブリックコメントの募集といった情報も同じスクリーンに表示されていたら。
こうしたシナリオが、ロンドンとニューヨークで近々、実現されようとしている。時代遅れになってしまった電話ボックスが、タブレット型コンピューター、USB充電ポート、電話をかけるためのキーパッド、道行く人への適切な情報を表示する大型スクリーンを備えたWi-Fiキオスクに置き換わっているのだ。2016年に「LinkNYC」キオスクの設置を始めたニューヨークには、現在、市内の5つの行政区に900カ所以上のLinkNYCがあり、将来的に7500カ所まで増やす予定だ。イギリスでは「InLinkUK」の設置がロンドンで始まり、国内1000カ所まで展開する予定となっている。
現在のLinkは、主にスマホの充電や高速Wi-Fi接続、インターネット(VoIP)電話、天気や地元レストラン情報の検索などに使われている。これらのサービスがすべて無料で使用できるのは、高さ3メートルを超えるキオスクに広告を表示し、ニューヨーク市と技術開発したLinkの運営企業とで広告料を分け合っているからだ。Linkの設置や維持費用は、クアルコムや大手通信会社のBTといった企業が負担している。ニューヨーク市は、LinkNYCの共同事業から今後12年間で5億ドル以上の売上を見込んでいる。
Linkは、広告やWi-Fi ネットワークといった枠組みをはるかに超えるものと期待されている。ロンドンとニューヨークでLinkプロジェクトを運営している企業インターセクション(Intersection)は、拡張現実(AR)から自律型移動手段まで対応できるように、キオスクのアップグレードを検討中だ。「第一段階は、人々に安定したサービスを提供することでした」と話すのは、 …
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