現実化する車のハッキング
元イスラエル軍人の
セキュリティ会社に脚光
自動車を狙ったサイバー攻撃が現実化する中、イスラエル発のスタートアップ企業カランバ(Karamba)が注目されている。元イスラエル国防軍のメンバーらが創業したカランバは、従来とは異なるアプローチで自動車を守ろうとしている。 by Doron Levin2017.07.19
自動車が無線接続され、自律化されるにつれて、サイバーセキュリティは自動車メーカーにとって終わることのない心配事だ。自動車メーカーはいたずら盛りの12歳児に加え、無線接続された自動車に不法侵入するハッカー、テロリスト、脅迫、そして泥棒を恐れている(「Your Future Self-Driving Car Will Be Way More Hackable」参照)。
自動車のサイバーセキュリティについての懸念は、2015年に2人組のホワイトハットのハッカーがジープ・チェロキーに侵入したのをきっかけに現実となった。クライスラー・フィアットは、Uコネクト(Uconnect)情報システムを搭載した140万台の自動車を(「Carmakers Accelerate Security Efforts after Hacking Stunts」参照)、ソフトウェア・バグの修正のために回収せざるを得なくなった。
自動車の安全性は、ノートPC、サーバー、あるいは携帯電話のようにハッカーの目的が破損やデータの盗難とは根本的に異なる種類の課題を抱えている。走っている自動車に対するサイバー攻撃は命にかかわる安全の問題を生じ、従来の対ハッキング・ソフトウェアでは事故を回避するには遅すぎるか、効果がない可能性がある。
「データの安全性だけではなく、消費者の身体的安全も扱うため、自動車はサーバーや企業ネットワークを守る技術とは異なるセキュリティを必要とします」と、カランバ・セキュリティ(Karamba Security)の共同創業者、デビッド・バルジライ取締役会長は話す。カランバ・セキュリティはイスラエルのホド・ハシャロンに拠点を置き、デトロイト中心部にオフィスを持つ、創業2年目のスタートアップ企業だ。
「ハッカーが自動車に侵入してから、機械学習と人工知能(AI)を使ってマルウェアを特定するのでは遅すぎます」とバルジライ取締役会長は話す。「自動車のセキュリティ対策はハッカーがハッキングをしようとした時に、攻撃を防ぐものでなければなりません」。
自動車のサイバーセキュリティは小さな市場だが、自動車間の無線コミュニケーションなどのような新しい技術に対する新しい脅威が発見されるにつれて、急速に成長している。ハッキングされたジープに搭載されていたUコネクト情報システムの製造社であるハーマン・インターナショナルは、2016年前半にイスラエル …
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