アップルが極秘にフィットネス研究所をカリフォルニア州のクパチーノ・キャンパスに設置してから数年が経つ。今週、アップルはあらゆる種類の身体活動(陸上も水中も)を研究する手法を、少しだけ公開した。アップル・ウォッチ(Apple Watch)で身体活動を追跡するためのアルゴリズムの構築を目的としたものだ。
アップルのフィットネス&ヘルステクノロジー担当ジェイ・ブラニック役員は7月11日、アップルのジムはどこよりも豊富な生体計測データを蓄積しているはずだと語った。この施設は2015年にアップル・ウォッチが発売される以前に作られ、ボランティアの従業員がモルモット役をしている。アップルは呼吸代謝測定装置を最も多く購入している企業でもあり、酸素摂取量を記録管理するために使用している。ブラニック役員によると、現在アップルには呼吸代謝測定装置が50台あり、その半数がポータブルタイプで、水泳やサイクリングといったアクティビティに対して活用できるという(さらに従業員が毎日自転車に乗る際に、警備員を同行させ実際に装置を使っていると付け加えた)。
水泳は屋内のインフィニティ・プール(外縁が水で覆われ見えないようにしてある豪華プール)で行う。ブラニック役員によると、監察結果から、人は思っているほど実際には泳がないことがわかったとのことだった。毎日のように泳ぐ人ですら、クロールと平泳ぎの違いを計測するのは困難だという。
とはいっても、このデータ・ジムにやって来る全員が体を動かすわけではない。
「たとえばある日は、座っている間のカロリー消費量を測ります。それも把握する必要がありますので」(ブラニック役員)。
ブラニック役員は、アップルが少人数の記者を招いて7月11日に開催した発表会の席で、AIジムについて語った。アップルと複数の外部開発者による技術発表では、アップル・ウォッチにもうすぐ搭載される最新の健康管理、フィットネス機能が紹介された。アップル・ウォッチを直接ランニングマシンと無線接続し、トレーニングの様子を追跡する機能も含まれる。今年の秋に新しいアップル・ウォッチ用OS、WachOS 4と、対応するトレーニングマシンが発売されるのに合わせて利用できるようになる。