米国の退役軍人であるロムロ・カマルゴは、アフガニスタンで奇襲攻撃を受けて、首から下が動かなくなった。自分1人だと日常的な動作ができないカマルゴは、最近になってロボットから介助を受けている。
ザ・バージの記事によると、トヨタの介護ロボットはすでに日本の病院では試験的に利用されている。その介護ロボットを、来るべき高齢化社会に備えて販売する計画もあるという。カマルゴは北米で初めての利用者として、トヨタの介護ロボットを自宅に招き入れた。しかし、家の中には日常的にモノが置かれていているため、ロボットにとっては厳しい環境になる。
カマルゴは、口にくわえたタッチペンでタブレット画面をタップすることで、ロボットに命令を送る。ロボットは命令に従い、水の入ったボトルをカマルゴのところまで持っていき、カマルゴが水を飲めるように口元までボトルを運んでいく。カマルゴは、「水が入ったボトルを持ち上げるのは1日のうちでもっとも重要な仕事ですが、これからはロボットが代わりにやってくれるでしょう。これは、とても大きな変化です」と語る。
介護ロボットができることは、まだほとんど限られている。家のようにものが散らかっている環境では、ロボットがモノを正確に識別できるようにQRコードを貼っておかなければならない。また、上の映像からも分かるように、ロボットができる仕事は少ないが、介護ロボットが将来的に高齢者や障がい者の介護に使われる可能性を示し、最先端の技術がいろいろと進化していることも分かる。
パーソナルロボットがこれから先何年かの間に、急速に成長することは間違いない。パーソナルロボット産業は2022年までに毎年約40%ずつ成長を続け、340億ドルまで成長すると予測されている。大きなチャンスがあるため、クーカのような産業ロボットメーカーが市場に目を向けている。
しかし、産業の活性化以上に重要なことは、技術の発展によって多くの人々の生活が変わる可能性があるということだ。カマルゴは、「障がいのあるすべての人にとって、介護ロボットは人生を大きく変えてくれる存在です」と語っている。
(関連記事:The Verge, “ 産業ロボ大手クーカ、家庭用ロボット参入へ,” “Personal Robots: Artificial Friends with Limited Benefits,” “Meet Toyota’s Robotic Nurses”)