ロイス・シードが朝目覚めた時に最初に発する言葉の1つは、「アレクサ、天気はどう?」だ。シードは89歳で、黄斑変性症のために低視力だが、アマゾン・エコーの音声アシスタントであるアレクサ(Alexa)に話しかけて天気情報を得ることが便利だと知っている。他にも、アマゾン・エコーに頼んで時間を告げてもらったり、以前住んでいた町のラジオ局放送のクラシック音楽を流してもらったりしている。
シードは「アレクサと一緒だと人生はもっと楽しくなります」と語り、最近のサタデー・ナイト・ライブ(米国の人気バラエティ番組)で紹介されたパロディが、でたらめではなく実際の高齢者の姿に近いことを証明しているようだ。
シードと、サンディエゴ近郊にあるカールスバッド・バイ・ザ・シー・リタイアメント・コミュニティ(リタイアメント・コミュニティ=米国の高齢者専用住宅地のこと)の約50人の住人は、2月末頃から自宅でアレクサを試している。カールスバッドを運営する非営利組織フロントポーチは、アレクサに関心を示した住民から試してみたいとの相談を受け、パイロット・プログラムを考案した。
すでにアレクサを使って孤独感を和らげたり、薬の飲み忘れ防止を設定したりしている高齢者はいるが、カールスバッドはアレクサによる影響を徹底的に調査する、初の高齢者専用住宅地となりそうだ。フロントポーチはアレクサが今後、高齢者にとってどのように役立つのかを調査したいと考えている。高齢者専用住宅地で暮らす高齢者は、アマゾンにとって大きな市場だ。現在100万人以上のアメリカ人が …