Mark 1は、1980年代のクロック・ラジオとCG映画の主人公「ウォーリー( WALL-E)」が合体したような見た目で、低い声のイギリスなまりでロボットのようにしゃべる。アマゾン・エコーとはまるで別物だ。しかし開発元のスタートアップ企業マイクロフト(Mycroft)が狙っているのは、あらゆるデバイスで動作し、思い通りに改造できる音声対応アシスタントを求めているハッカーや学生、企業に、アマゾン・エコーのような魅力を感じてもらうことだ。
音声対応デジタル・アシスタントは近年では数多く出回っている。アマゾン・エコーはアマゾンの音声アシスタント「アレクサ」が動作する電子機器だが、ほかにもアップルのSiri、マイクロソフトのコルタナ(Cortana)やグーグル製の音声アシスタントもある。ただ、こうした音声アシスタントにオープンソースは皆無で、いくら幅広いデバイスに対応したスキルを持った開発者でも、ソフトウェアのコードを改造することはできなかった。
Mark 1で動作する音声アシスタント・ソフトウェアは、社名と同じ「Mycroft(マイクロフト)」という。マイクロフトは大企業のデジタル・アシスタントと競合するつもりはない、とジョシュア・モントゴメリーCEO(最高経営責任者)は話す。音声アシスタントの民主化、つまり学校の自由研究に取り組む子どもから、オープンソースの音声認識テクノロジーをコールセンターで活用したい企業まで、誰もが利用して改造できるようにすることがマイクロフトの狙いなのだ。Mycroftは個人ユーザーや開発者は無 …