人工知能ブームに対応する
チップ供給競争が過熱
エヌビディアCEOが吠える
チップメーカーのエヌビディアが人工知能向けの新チップを発表。ライバルはインテルやグーグルといった巨人からスタートアップまでさまざまだ。 by Tom Simonite2017.05.12
エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は、5月10日、カリフォルニア州サンノゼのカンファレンス会場で、人工知能のアルゴリズムを加速させることを目的した新しいチップを発表した。ファンCEOの視線の先には、ライバルたちの姿があった。
ここ数年、エヌビディアの利益と株価は急激に上昇している。もともとはゲームや画像制作のために開発したグラフィック・プロセッサーが、機械学習で多くのブレークスルーを引き起こしたからだ(”10 Breakthrough Technologies 2013: Deep Learning”参照)。しかし、人工知能への投資が膨らむにつれ、エヌビディアはインテルやグーグル、独自の人工知能チップに取り組む企業との競争にさらされている。
5月10日に開かれた年次開発者向けカンファレンスで、ファンCEOはテスラV100(Tesla V100)と名付けた最新のチップを披露した。競合他社を名指しすることを注意深く避けたファンCEOだったが(たとえばグーグルのことは「一部の人」と呼んだ)、クラウド・コンピューティングにAIチップの提供が始まろうとしている現在の大きなチャンスについて話が及ぶと、競合のテクノロジーをはっきりとこき下ろした。
医療や金融などあらゆる業界の企業が機械学習インフラへ投資している。主要なクラウド・コンピューティング・プロバイダーのグーグル、アマゾン、マイクロソフトは多くの企業が人工知能ソフトウェアを稼働させるために機械学習インフラへ投資すると予測しており、機械学習を支える新たなハードウェアに莫大な費用を投じる見込みだ。
盛り上がりを見せるAIチップ市場でエヌビディアが支配的な立場に立てたのは、幸運な偶然をうまくつかみ取っ …
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