糖尿病患者用「人工すい臓」の開発を目指すベータ・バイオニクスが今週、一般市民を対象に、オンラインで株式を売る方式を認める新ルールに基づいて、100万ドルを集めた最初のスタートアップになった。
ベータバイオニクスは、ボストン大学の生物医学エンジニアのエド・ダミアーノが設立し、27日の夜に「未公開株」の公募で100万ドル以上の資金を集めた、という記録を作った。775人の出資者は平均1300ドルを払い、糖尿病患者用新型ペースメーカーのアイデアを支援している。
ベータ・バイオニクスが株を売ったクラウドファンディングのポータル「ウィーファウンダー」以外にもスタート・エンジンやフラッシュ・ファウンダーなどのサイトがあり、専門の投資家ではなく、一般に直接株を簡単に売れるようにした5月の証券規則の改正をチャンスとみなしている。
ベータ・バイオニクスはクラウドファンディングだけではなく、リスクのあるスタートアップに一般市民も出資できるようにすべきというテック業界にとってもテストケースになるだろう。新ルールの下で資金を調達している会社には、「映画ファンが所有する最初のハリウッドスタジオ」であるレギオンMやテキサスの醸造会社、新しい遺伝子組み換え生物の開発会社がある。
新株発行の新しいプロセスは「規制型クラウド・ファンディング」として知られており、証券法関連の規制を緩和する最近の政策の一環として、2012年に制定されたJOBS法(Jumpstart Our Business Startups Act:スタートアップ事業促成法)に端を発している。
人工膵臓の技術を開発したダミアーノの10代の息子は1型糖尿病患者で、インスリンを打たないと糖尿病性昏睡に陥る危険がある。糖尿病患者にはすでに体内埋め込み型のセンサーで血糖値を測定している人もいるが、ベータバイオニクスの装置「iLet」は、必要時に自 …