フェイスブックは1年前、未来的なガジェットの開発に専念する技術開発の特別チーム「ビルディング8」を立ち上げた。フェイスブックは秘密プロジェクトによって、自社の目標である「世界をつなぐこと」に向けて前進できるだろうという。
4月19日、フェイスブックの開発者向け年次カンファレンス「F8」で、同社は進行中の6つのプロジェクトのうち、かなりSF的な印象のある、ふたつを明らかにした。
フェイスブックは、ユーザーがただ考えるだけでテキスト・メッセージを送信できる、新種の非侵襲性(体に傷をつけずに導入できる)脳・機械インターフェイス(たとえば、帽子やヘッドバンドのような形状)を開発したいという。もうひとつのプロジェクトでは、皮膚で言葉を「聞ける」ようにするウェアラブル機器(もしかすると、アームバンドのようなもの)の開発を目指している。
「ビルディング8」のリーダーを務めるレギーナ・ドゥーガンによれば、ふたつのプロジェクトはどちらも着手から6カ月経過しており、さらに継続する価値があるかどうか、フェイスブックは2年以内に判断するという。ドゥーガンは、ビルディング8の責任者着任前、グーグルで同様の開発グループ(ATAP:先端テクノロジー製品グループ)の責任者を務め、それ以前は米国防総省の米国国防先端研究計画局(DARPA)の局長だった。
思考を文章に変えるプロジェクトを率いるのは、ジョンズホプキンス大学マーク・シェビレ前非常勤教授(神経科学)だ。
シェビレは今後2年間で、脳から話し言葉の信号を抽出することで、ユーザーが1分間に100語の速度で、無言で考えを文章に変換できる、非侵襲性のシステムを作るのが目標だ、という。
「実際に声を出す前に、信号を取得できるようにしたいのです。そうすればもう、大きな声で話す必要はなくなります」
フェイスブックはこのプロジェクトについて、ジョンズホプキンス大学、カリフォルニア大学バークレー校、カリフォルニア大学サンフランシスコ校と共同研究中だという。シェビレによれば、プロジェクトでは、大脳皮質から発せられる神経信号を検出するために、光(LEDやレーザーなど)を使う方法を主に探すという。
光で脳の活動を検出する方 …