マイク・ポンペオ米国中央情報局(CIA)長官は、就任後初の一般公開の場で、ウィキリークス(WikiLeaks)とエドワード・スノーデンを槍玉に挙げ、米国がサイバー空間上の脅威への対処方法を「根本的に変革」することを掲げた。
13日午後、ワシントンDCにある超党派(米国には、共和・民主両党に連なる「党派的」シンクタンクも多数ある)のシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の講演でポンペオCIA長官は、ウィキリークスが最近公表した、CIAが秘密裡に利用しているとされるハッキング手法の詳細が記載された文書について特に言及はしなかったが、「ウィキリークスの正体をはっきりさせるべき時であり、ウィキリークスは、往々にしてロシア等の国家的組織が加担する非政府の敵対的な情報サービスなのです」と述べた。また、ウィキリークスは「反民主主義な国や反民主主義的な組織からの支援を当てにする一方で、完全に米国を目の敵にして、米国民の言論の自由の価値を、米国民と敵対するために使っています」と述べた。
ポンペオ長官は、非政府の、サイバー空間上に基盤を置く国家安全保障上の脅威にかかわる問題は、ウィキリークスよりもはるかに「広範かつ深刻」であるという。たとえば米国は自国のサイバーインフラを攻撃から守るために 「とても十分とはいえないほどにしか」対処しておらず、テロリストのプロパガンダや要員確保の活動がサイバー空間に蔓延していると述べた(”Fighting ISIS Online“参照)。
ポンペオ長官は、NSAの元契約職員エドワード・スノーデンも批判し、スノーデンの暴露が直接的な原因となって「驚くべき数の」テロリスト集団等、外国の諜報機関関連の監視対象が、通信手段を変更したと述べた。
トランプ政権は賛否が分かれる暗号化問題について、まだ特定の政策上の立場を表明していない。だがポンペオ長官は、暗号技術は高度になっていて、 広く利用されるようになり、そのせいでCIAがテロリストを監視しにくくなっている、と述べた。ポンペオ長官は、米国の連邦議会議員だった頃から監視には前向きで、CIA長官就任以後もその考えに変わりはないようだ。「諜報機関に関わる者は誰もが、外国のテロリスト、あるいはテロリストが送受信している情報にアクセスできるようにしておく義務があります」とポンペオ長官は述べた。