グーグルの子会社ベリリ、ヘルス・ウォッチ試作版を初公開
グーグルの生命科学系スピンオフ企業ベリリ・ライフ・サイエンスが、さまざまな身体データを計測できる腕時計型デバイス「スタディ・ウォッチ」を発表した。ただし、ユーザーに見えるのは時間と日付だけで、脈拍や心拍数は医師等の関係者専用だ。 by Antonio Regalado2017.04.18
検索エンジン大手グーグルのスピンオフ企業であるベリリ・ライフ・サイエンスは、大規模医療研究用の健康トラッキング時計を公開した。
「スタディ・ウォッチ」とシンプルに名付けられた腕時計は、見た目は普通の腕時計と変わりなく、消費電力の少ない電子インクタイプの文字盤を採用している。
ベリリは、この腕時計を身に着けると、普段の生活には何の支障もなく継続的に生理学的データを集められるという。腕時計は、心拍数や心電図、運動データの他に、皮膚の電気伝導度も測定する。さらに、周囲の照度や音も検知できる。
腕時計は非売品で、臨床試験では「研究機器」として使われる。試験のひとつである「ベースライン調査」はベリリによる長期計画で、健康的な数千人を追跡し、病気にかかっていく過程も含め、バイオマーカーの発見を目指す。
ベリリは現時点で、この時計を医療機器として市販するための申請をFDAにしていない。ベリリのブログには「将来的には、スタディ・ウォッチを幅広い医療現場に取り入れていく」と書かれている。
MIT Technology Reviewは昨年9月に初めて、ベリリのブライアン・オーティスCTO(最高技術責任者)の腕に着けられたグーグル製らしき時計を目にした。オーティスCTOは、より実用的なトラッカーの開発を目的にした試作品だと説明していた。
ベリリはブログ記事で、市場にはすでにたくさんのウェアラブル機器が出回っているが、ベリリの時計は「既存の製品とは異なるニーズに応えた製品です。つまり、臨床的および観察的研究全般において測定できる豊富で複雑なデータセットを収集することです」としている。
多くのウェアラブル機器の問題は、ユーザーが装置を着けっぱなしにしておかないことだ。特に、手首に巻き付ける時計は外されてしまいがちだ。自宅の棚の上に置かれたままでは、トラッキング時計としての役割を果たさない。使いやすくするために、ベリリはバッテリーを1回の充電で最高1週間持続するよう改善し、その間に収集した生データを保存できるようにした。そのため、スマホ等の親機と頻繁に同期する必要はない。 …
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