トランプ大統領が1月にアジット・パイを米国連邦通信委員会(FCC)の新委員長に指名して以来、米国の電気通信政策は激しく揺れ動いている。高速インターネット通信の利用地域の拡大やネットワーク中立性の保護といった問題は、トランプ政権下でどうなるのだろうか?
ハーバード大学法科大学院のスーザン・クロフォード教授は、オバマ大統領とふたりのニューヨーク市長(マイケル・ブルームバーグとビル・デブラシオ)に、科学、テクノロジー、イノベーション政策についての助言してきた。クロフォード教授は、ジョージ・W・ブッシュ政権からオバマ政権への移行時に、FCCの政権移行チームのリーダーのひとりを務め、通信政策についての書籍や記事を書いている。クロフォード教授はMIT Technology Reviewに対し、地域コミュニティーの通信ファイバー・ネットワークの価値、新しいFCCがすべきこと、ネットワーク中立性の未来について、自身の予測を述べた。
以下に載せるインタビューの抜粋は、内容を明確にするために編集・要約されている。
あなたの立場は、長年にわたって非常に一定していますね。あなたは、アメリカ国民が不十分なインターネット・サービスにお金を払いすぎており、他の先進国に遅れをとっていると考えています。最近では、その解決策を求めて、米国内各地を巡っていますね。
はい。私はここ3カ月、この問題に闘志を燃やして取り組んでいる、アメリカ国内のたくさんの都市を訪れてきました。それから、光通信ファイバーが作られ、導入される様子も見てきました。この問題を本当に理解して、それに打ち込んでいる、素晴らしいアメリカ人の方々がいます。まさに今、サンフランシスコ市が、アメリカの大都市として初めて、(低コストで、市全域にわたり、ギガビット単位の速度のインターネットを提供できる)光ファイバー計画を実現する動きに加わろうとしています。そして、ほとんどの要素の準備をすでに整えているのです。私はそのアドバイザーです。私は、サンフランシスコ市が、アメリカの他の大都市を先導してくれることを、本 …