猿がロボットを育てたら、どうなるかって? ロボット型ターザンのようになるに違いない。
一見コミカルな動きのロボットだが、設計目的はいたって真面目だ。人が常に広大な農地を見張らなくて済むように、内蔵カメラで作物を見張るのが役割だ。そのとき、地上の障害物をよけて移動したり(農地の地面は平坦ではない)、空を飛んだりする(飛行は大量のエネルギーを使う)かわりに、ロボット型ターザンは腕を振り回し、農地の上に張り巡らせた支線をつかんで移動するのだ。
ただし、ロボット型ターザンのモデルは厳密にはエドガー・ライス・バローズの著作『ターザン』シリーズの主人公ではない。ナマケモノだ。ジョージア工科大学のジョナサン・ロジャース教授(機械工学)は「ナマケモノは非常にエネルギー効率がよいのです」と 動画で解説している。「私たちはロボットのエネルギー効率をより高めようとしています。いずれは太陽光で稼働できるようになるかもしれません」
もちろん、作物を見張るハイテクな方法はターザンに限らない。植物の監視にはドローンが使われることもあり、高解像度の映像と驚くべき速度を実現している。だがドローンの場合、基本的には短い時間飛んだだけですぐに充電する必要がある。データ収集用の電柱を立てるのも費用効率のよい監視手法だが、 移動できないし、比較的狭い範囲しかカバーできない。ターザンはちょうど両者の中間にぶら下がっているのだ。
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