本当にドローンより効率的? 作物監視用のターザン型ロボット
作物の発育状況を監視し、農薬や水分量を調整したり、刈り入れ時期を判定する手法として、ドローンが注目されている。しかし飛行時間が短いため、効率が悪い問題がある。そこで注目されているのがナマケモノ型ロボットだ。 by Jamie Condliffe2017.04.12
猿がロボットを育てたら、どうなるかって? ロボット型ターザンのようになるに違いない。
一見コミカルな動きのロボットだが、設計目的はいたって真面目だ。人が常に広大な農地を見張らなくて済むように、内蔵カメラで作物を見張るのが役割だ。そのとき、地上の障害物をよけて移動したり(農地の地面は平坦ではない)、空を飛んだりする(飛行は大量のエネルギーを使う)かわりに、ロボット型ターザンは腕を振り回し、農地の上に張り巡らせた支線をつかんで移動するのだ。
ただし、ロボット型ターザンのモデルは厳密にはエドガー・ライス・バローズの著作『ターザン』シリーズの主人公ではない。ナマケモノだ。ジョージア工科大学のジョナサン・ロジャース教授(機械工学)は「ナマケモノは非常にエネルギー効率がよいのです」と 動画で解説している。「私たちはロボットのエネルギー効率をより高めようとしています。いずれは太陽光で稼働できるようになるかもしれません」
もちろん、作物を見張るハイテクな方法はターザンに限らない。植物の監視にはドローンが使われることもあり、高解像度の映像と驚くべき速度を実現している。だがドローンの場合、基本的には短い時間飛んだだけですぐに充電する必要がある。データ収集用の電柱を立てるのも費用効率のよい監視手法だが、 移動できないし、比較的狭い範囲しかカバーできない。ターザンはちょうど両者の中間にぶら下がっているのだ。
(関連記事:TechCrunch, “How Drones Can Give a Boost to Biofuels”)
- 人気の記事ランキング
-
- OpenAI has created an AI model for longevity science オープンAI、「GPT-4b micro」で科学分野に参入へ
- Promotion Innovators Under 35 Japan × CROSS U 無料イベント「U35イノベーターと考える研究者のキャリア戦略」のご案内
- AI means the end of internet search as we’ve known it 「ググる」時代の終わり、 世界の知識を解き放つ 生成AI検索がもたらすもの
- 10 Breakthrough Technologies 2025 MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版
- Driving into the future 「世界を変える10大技術」の舞台裏、2024年の誤算とは?
- ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
- MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。