マサチューセッツ州サマービルにある工業施設の内部では、ロボット・アームが1日中、シャンプーボトルやたまねぎ、ひげそり用クリームの缶など、見た目がバラバラな商品を直径約10mの回転コンベヤー・ベルトから拾い上げている。
見た目は奇妙な仕組みだが、倉庫やフルフィルメント・センターなど、現在は人間が手で作業するのが当然のピッキング工程をロボットで自動化できるシステムの試作装置だ。ロボットの学習内容をクラウド経由で同期できるなど、今後ロボットのハードウェアやコンピューター・ビジョン、遠隔操作が進歩したとき、数年後に倉庫のフルフィルメント作業がどう変化するのかがわかる。
スタートアップ企業ライトハンド・ロボティクスが開発した新型ロボット・ピッキング・プラットフォームは、ハイブリッド・グリッパー(吸着と掴む動作)と機械学習を組み合わせることで、異なる種類の商品を扱う速度、信頼性の面で既存のシステムより優れている。
今月初頭、ライトハンド・ロボティクスはサプライ・チェーン業界のイベントで、製薬や電子機器、食料雑貨、アパレル業界を対象としたフルフィルメント事業用の自社プラットフォーム「ライトピック」を発表した。
4月初め、MIT Technology Reviewの取材にライトハンド・ロボティクスの共同創業者であるヤロ・テンザーとリーフ・ジェントルフが応じ、汎用のベルト・コンベヤー型や、個々の顧客向けに化粧品を発送する企業を念頭に設計された装置まで、開発中の試作品をいくつか見せてくれた。ライトハンド・ロボティクスのシステムでは、円形の回転式コンベヤーに組み付けられた複数の大型箱から顧客用の商品を掴み取る。テンザー、ジェントルフの両共同創業者は、箱に詰め込まれた商品を別の箱に移すために、特定のモノの掴み方を何度も試行して学習するシステムも見せてくれた。
箱に詰め込まれたさまざま種類のモノを掴み取るのは単純な作 …