無人倉庫まで5年? 何でも掴めるライトハンドのロボットアーム
知性を宿す機械

A Robot with Its Head in the Cloud Tackles Warehouse Picking 無人倉庫まで5年?
何でも掴める
ロボットアーム

ロボットアーム最大の課題は「何でも掴めるようになること」だ。アメリカのスタートアップ企業ライトハンド・ロボティクスは、機械学習とクラウド同期でついに偉業を達成、数年以内に倉庫から人間の作業者が消える可能性がある。 by Will Knight2017.04.06

マサチューセッツ州サマービルにある工業施設の内部では、ロボット・アームが1日中、シャンプーボトルやたまねぎ、ひげそり用クリームの缶など、見た目がバラバラな商品を直径約10mの回転コンベヤー・ベルトから拾い上げている。

見た目は奇妙な仕組みだが、倉庫やフルフィルメント・センターなど、現在は人間が手で作業するのが当然のピッキング工程をロボットで自動化できるシステムの試作装置だ。ロボットの学習内容をクラウド経由で同期できるなど、今後ロボットのハードウェアやコンピューター・ビジョン、遠隔操作が進歩したとき、数年後に倉庫のフルフィルメント作業がどう変化するのかがわかる。

スタートアップ企業ライトハンド・ロボティクスが開発した新型ロボット・ピッキング・プラットフォームは、ハイブリッド・グリッパー(吸着と掴む動作)と機械学習を組み合わせることで、異なる種類の商品を扱う速度、信頼性の面で既存のシステムより優れている。

今月初頭、ライトハンド・ロボティクスはサプライ・チェーン業界のイベントで、製薬や電子機器、食料雑貨、アパレル業界を対象としたフルフィルメント事業用の自社プラットフォーム「ライトピック」を発表した。

4月初め、MIT Technology Reviewの取材にライトハンド・ロボティクスの共同創業者であるヤロ・テンザーとリーフ・ジェントルフが応じ、汎用のベルト・コンベヤー型や、個々の顧客向けに化粧品を発送する企業を念頭に設計された装置まで、開発中の試作品をいくつか見せてくれた。ライトハンド・ロボティクスのシステムでは、円形の回転式コンベヤーに組み付けられた複数の大型箱から顧客用の商品を掴み取る。テンザー、ジェントルフの両共同創業者は、箱に詰め込まれた商品を別の箱に移すために、特定のモノの掴み方を何度も試行して学習するシステムも見せてくれた。

箱に詰め込まれたさまざま種類のモノを掴み取るのは単純な作 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。