オランダの通信キャリアKPNは6月、IoT用無線ネットワークサービスをオランダ全土で提供する、と大々的に発表した。従来から提供している携帯電話用ネットワークと同じ部分もあるが、低料金と低出力の電波で通信できる仕様により、KPNのネットワークは、オランダ鉄道網の中心であるユトレヒト中央駅の鉄道分岐器から、ロッテルダム港の測深器、アムステルダム・スキポール空港の預け入れ荷物に至るまで、あるゆるものを監視するセンサーをひとつのネットワークに接続できる。
IoT用ネットワークは、フランス、ドイツ、韓国など、世界中の他の場所でも、次々と登場している。しかし、インフラ構築コストを賄えるほど十分な量のデバイスがネットワークにつながり、料金が支払われるかには疑問が残る(「ソフトバンクのARM買収でインテル困ってる」参照)
KPN携帯サービス部門のジェイコブ・グルート担当役員によると、すべてが開通しているわけではないが、すでに150万台分の契約があるという。ただし、それだけの契約があっても、2015年の売上高が70億ユーロの同社にとって、財務上大きなインパクトのある話ではない。
KPNが欲しいのは、むしろさまざまな顧客と接触する機会だ、とグルート担当役員はいう。マクロ経済的にいえば、オランダ政府には、国内各地の堤防が浸水したり、決壊したりしていないかを監視できるインフラ用センサーがある。Ziutのような企業(街灯、交通システム、セキュリティの専門企業)は、ロッテルダムの自転車専用道路の …