ウガンダの首都カンパラでオートバイ・タクシー配車アプリ「セーフボダ(SafeBoda)」を初めて利用したとき、事故現場を目撃してサービスのありがたさを実感した。3月の月曜日の午後、現地で「ボダボダ」と呼ばれるバイク・タクシーを利用し、インド製の110ccバイクの後部座席に座っていると、ドライバーのアブダラ・マウェジェイがブレーキをかけた。カンパラ市内の排気ガスが充満した幹線道路が、事故で渋滞だ。歩行者と徐行で通り過ぎる自動車で混み合う場所の中央で、頭から流血し、車道にぐったり横たわる若い男性を、通行人が歩道に引きずろうとしていた。
「ボダボダのドライバーだ」と、マウェジェイは他の車を上手に避けながら確認した。以前に何度もこのような場面に遭遇したのだろう。口調は無関心だ。「だからボダボダは避けたほうがいいんですよ。スピードを出しすぎなんです。無駄に車を追い越します。事故を気にしていないんです」
マウェジェイ自身がカンパラに推定8万人はいるボダボダのドライバーのひとりだ。約1年前、坂道が多く、人口150万人の混雑した首都に誕生したセーフボダ(オレンジ色のベストとヘルメットがトレードマーク)への入団後に変身した。セーフボダ団は、ウーバー型のアプリで乗客を取るスマホ用配車アプリだ。料金は通常のボダボダ・ドライバーとほぼ同額だが、ドライバーは利用後に採点され、厳格な行動規範に従い、交通規則の遵守とオートバイの適切なメンテナンスを義務づけられている。ドライパーは赤十字認定の第一応答者(ファーストレスポンダー、事故等に遭遇したとき、最初に対応する一般市民のこと)で、ウガンダ警察との協定に基づいて交通安全研修を受け、乗客用に高品質のヘルメットを用意している。
こうしたルールは当然のようで、カンパラで安全性は二の次だ。低料金で、渋滞で自動車がどうにもならない状況でも道路を駆け抜けられるから、カンパラでボダボ …