倫理/政策
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The foundations of America’s prosperity are being dismantled
崩壊する科学エコシステム、
トランプ政権がもたらす
「取り返しのつかない損害」
科学技術大国・米国の繁栄を支えてきた研究基盤が、政権交代の波に飲み込まれている。連邦政府職員たちは、1世紀かけて築いたシステムの急速な解体に警鐘を鳴らす。 by Karen Hao2025.04.04
- この記事の3つのポイント
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- 米国の科学技術分野のリーダーシップが危機に瀕している
- トランプ政権の政策により連邦政府の科学技術関連機関が大幅に弱体化
- 米国の科学技術分野の競争力低下と人材流出が懸念される
第二次世界大戦以来、米国は科学技術分野の世界的リーダーであり、そこから計り知れないほどの恩恵を受けてきた。研究は米国のイノベーションと経済を支えている。世界中の科学者たちは、米国で学び、米国の科学者と協力してより多くの研究成果を生み出したいと願っている。これらの国際的な共同研究は、米国のソフトパワーと外交において重要な役割を果たしている。米国人が購入できる製品、利用できる医薬品、かかるリスクのある病気は、すべて米国の研究力と世界の科学者とのつながりの強さに直接関係している。
MITテクノロジーレビューが取材した10人以上の連邦政府職員によると、その科学的リーダーシップは現在、トランプ政権下で解体されつつあるという。イーロン・マスク率いる政府効率化省(DOGE)が人員、プログラム、機関を大幅に削減しているのだ。一方、大統領自身は米国の同盟国との関係を攻撃している。
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