数年も経たないうちに、医者は診療中や入院中の患者に鎮痛剤ではなく、実質現実(Virtual Reality)を処方するかもしれない。
それが、スタートアップ企業アプライドVRのマシュー・スタウトCEOの何よりの望みだ。アプライドVRは、治療前、治療中、治療後の痛みや不安を和らげるための実質現実コンテンツのコレクションを整備しようとしている。病院や医者と協力して、患者にサムスンVRヘッドセット「Gear VR」でテクノロジーを体験してもらい、効果を調査している。
スタウトCEOによれば、現在までにアプライドVRは、3つの異なる痛み止め用VRアプリと、不安を和らげるアプリを1つ開発済みだ。すでに他社製のコンテンツもあるそうだ。アプライドVRのプラットフォームが動作するヘッドセットは、病院、医院、診療所などで、採血や無痛分娩用の麻酔注射、手術後の疼痛管理などに使われている。
実質現実は長らく、火傷患者の創傷治療といった医療処置で気を紛らわせて痛みを和らげる効果が研究されてきた。ただし、ほとんどの場合、実質現実テクノロジーを病院に (とは限らず)持ち込もうとすると、非常に高価な装置が必要だった。ワシントン大学人間フォトニクス研究所のハンター・ホムマン所長(「SnowWorld」という疼痛管理ゲームの開発者でもある)が痛みの緩和を集中治療室研究の一部で研究するときに使っているVR機器は3万5000ドルするという。
https://www.youtube.com/watch?v=jNIqyyypojg
しかし現在、サムスンのGear VR、オキュラスのRift、HTCのViveといった、安価なヘッドセットが一般に入 …