1月21日に開示された新しい情報によると、オープンAI(OpenAI)は2024年に政府へのロビー活動に176万ドルを費やし、最後の3カ月間だけで51万ドルを費やしていた。これは、同社が米国議会の対策に26万ドルしか費やさなかった2023年から大幅に増加している。また、同社は新たに社内ロビイストとして、リンゼー・グラム上院議員の事務所で5年間勤務し、10月にオープンAIに入社したミーガン・ドーンを起用したことも明らかにした。この書類には、同年末の数カ月間に提出された2件の新しい法案に関する活動も示されている。下院のAI推進および信頼性向上法(AI Advancement and Reliability Act)は、AI研究のための政府機関の設立を定めるものであり、上院の人工知能イノベーションの未来法(Future of Artificial Intelligence Innovation Act)は、AIモデルの共有ベンチマーク・テストの作成を定めるものである。
オープンAIはロビー活動に関する質問には回答しなかった。
しかし、それ以上に重要なのは、本格的なロビー活動の最初の年が終わり、共和党が議会の多数を占めているところで、この情報開示が、同社が政治に関与し始めたことを明確に示すシグナルになっているということだ。オープンAIのロビー活動費は、同業他社と比較するとまだ少額にとどまっている(2024年に巨大テック企業が費やしたロビー活動費を見ると、メタがトップで、2400万ドル以上を支出している)が、オープンAIや他のAI企業がAI政策の形を再構築するために出費したことで、増加傾向にある。
ここ数年のAI政策は、ディープフェイクやデマがもたらすリスクに対するモグラ叩きのようなものだった。しかし昨年、AI企業はこのテクノロジーの成功が国家安全保障の確保と米国の競争力向上に向けて極めて重要なものと位置づけ、政府はAI産業の成長を支援すべきであると主張し始めた。その結果、オープンAIやその他の企業は、より安価なエネルギー、利益率の高い国家安全保障関連の契約、そしてAIの安全性に関する細かい点にはこだわらない、より緩やかな規制環境を獲得する態勢を整えているように見える。
大手企業はおおむねこの壮大な筋書きに賛同しているようだが、その他の問題については依然として大きな隔たりがあり、先週のトランプ大統領の就任式で示された調和を乱す恐れがある。
AI規制は、2022年11月にチャットGPT(ChatGPT)が公開された後、本格的に始まった。「その頃、論点の多くは責任に関するものでした」と語るのは、巨大テック企業の影響力を追跡する非営利民主主義団体イシュー・ワン(Issue One)でテクノロジー改革運動部長を務めるリアナ・キーシングだ。
企業は、性的虐待を伴うディープフェイク画像や選挙に関するデマにどう対処するか問われた。「(オープンAIの)サム・アルトマンCEOは、真っ先にこの事態への対処を支持する意向を示しました。とても良いことです」と、キーシング部長は言う。
オープンAIは2023年10月頃に公式なロビー活動を開始し、元上院司法委員会顧問でマイクロソフトのロビイストであったチャン・パークを雇い、その活動を主導させた。議員、特に当時の民主党で上院院内総務を務めていたチャック・シューマーは、ディープフェイクやデマような特定の被害を抑制したいと声を大にして主張していた。非営利団体オープンシークレッツ(OpenSecrets)のデータによると、オープンAIは、シューマーの元法律顧問であるレジナルド・バビンをロビイストとして採用した。そしてこの夏、オープンAIはベテランの政治活動家であるクリス・レヘインをグローバル政策部門 …