ロボタクシー:世界を変える10大技術

Robotaxis: 10 Breakthrough Technologies 2025 ロボタクシー:世界を変える10大技術

アプリで呼び出せる無人タクシーは、世界中の10以上の都市に広がっている。今後、ますます多くの人々がロボタクシーを初めて体験するようになるだろう。 by Rhiannon Williams2025.01.15

米国や中国の特定の都市に住んでいる人なら、おそらく無人乗用車が乗客を降ろしている場面を目撃したことがあるだろう。もしかしたら、乗ったこともあるかもしれない。そのようなサービスがまだ交通ルールを学んでいたころの3年前とは、状況が劇的に変わっている。そしてロボタクシーはまもなく、さらに多くの都市で運行されるようになるかもしれない。

中国では全土の都市で今、バイドゥ(Baidu:百度)、オートX(AutoX)、そしてウィライド(WeRide)やポニーAI(Pony AI)などのスタートアップ企業が運営するロボットタクシーを、乗客が選べるようになっている。それらの企業は、シンガポールや中東、米国への進出を果たすという野心的な計画を持っている。米国では各企業が何百万キロメートル分もの走行を記録して訓練データを収集してきたため、無人乗用車は何年も前から道路でよく見られるようになっていたが、一般市民が実際に乗り始めたのは最近になってからのことだ。

グーグルの親会社アルファベットが所有するウェイモ(Waymo)は、米国の無人乗用車業界で最大手の企業だ。サンフランシスコ、ロサンゼルス、フェニックスで無人タクシーのサービスを開始したばかりの同社は、ウーバー(Uber)との提携により、今年後半にオースティンとアトランタへ進出することを計画している。アマゾン傘下のズークス(Zoox)は、2025年中にラスベガスでロボットタクシーサービスを一般向けに開始することを目指しており、現在はサンフランシスコ、オースティン、マイアミでも試験運行を実施している。また、英国のスタートアップ企業ウェイヴ(Wayve)は、サンフランシスコで自社の技術のテストを開始し、右車線運転への切り替えを進めている。

潜在的な障害はまだたくさんある。中国では、ロボタクシーの運賃があまりに安いため、同国で働く1000万人のタクシー運転手の間に反発を引き起こしてきた。米国では、ゼネラルモーターズ(GM)のクルーズ(Cruise)が2023年10月に運行を停止した。同社の無人乗用車が歩行者をはねる事故を起こしたためである。GMは2024年12月、ロボタクシー事業への資金供給を停止することを発表した。またテスラ(Tesla)は、2025年にカリフォルニア州とテキサス州で監視なしの配車サービスを導入する計画を表明しているが、実行に移す前にその技術を証明し、必要な許可を確保しなければならない。

しかし、この業界は前進している。 ますます多くの人々が初めてのロボタクシーを体験しており、このテクノロジーへの慣れがより進んでいる。大手企業各社が新たな都市へとサービスを拡大し、価格競争が始まることを期待したい。